ビジネスバッグを極める

昔観た洋画で、スリの親方が新入りにコーチするのに「カモを見分けるには靴を見ろ」とアドバイスするシーンが印象に残っています。実際今でも高級ホテルやレストランでは、客の質を測るのに靴とバッグをチェックするという話です。つまり、ビジネスバッグの選び方ひとつで、こうしたホテルやレストランだけでなく、ビジネスパートナーがあなたを見る目も変わってくるということなのです。あだやおろそかにできませんね。

それでは、というので超高級ブランドからビジネスバッグを選ぶというのもいいでしょう。ただその場合、靴やベルト、スーツ、ネクタイに至るまで気が抜けなくなってしまいます。あなたがそれだけの地位にあって、経済的余裕もあるならむしろふさわしいファッションと言えるでしょうが、まだお若い方の場合、たとえばスーツに3万円クラスのものを選んでいるのなら、靴やベルト、ビジネスバッグはそれより少し上程度のクラスがベストバランスでしょう。そうしたものを、丁寧に手入れしながらすっきり使いこなすことで、充分品格と呼べるものが生まれてくるはずです。

ビジネスバッグひとつにも、それを使う人の「イメージ」といったものが反映されてきます。逆にビジネスバッグの選び方で、ビジネスマンとしての自分を演出することが可能になります。一般に、きっちりと堅いイメージを演出するのであれば本革のビジネスバッグが適していますし、フットワークの軽さを表すならナイロンのビジネスバッグがオシャレです。都会派の最先端ビジネスに飛び回っているイメージなら、ジュラルミンのシルバーケースをビジネスバッグとして用いるのもいいと思います。

先ほど、ビジネスバッグを選ぶ際、身の丈に合ったものを、といった趣旨の発言をしましたが、逆に老舗の高級ブランドから、オーソドックスデザインのシンプルなものを選ぶという手もあります。見る人が見ないと高級品とは判らない、シブく地味なデザインでも、しっかりしたブランドのものはつくりが頑丈で、それこそ孫の代まで使える「本物」です。

そうした本物のビジネスバッグを、大事に手入れしながら使い続けているうちに、あなたのキャラクターそのものがビジネスバッグの持つ「品格」に沿って成長していくのです。やがて昇進を重ねていくうちに、あなたにはビジネスバッグに負けない風格がついてくるはずです。もし最初にビジネスバッグを選ぶ際、余裕があるようでしたらできるだけ老舗の本物を、そうでなくとも可能な限り「シンプルで良いもの」を選ぶことをお勧めします。

 

ビジネスバッグの参考情報  →  http://monosapiens.jp/