ビジネスバッグの歴史の中では、1980年代に流行したクラッチバッグというスタイルがあります。バブルの頃、出来るだけ荷物を少なくするのがオシャレだったころのバッグで、クラッチバッグを小粋に脇にかかえる姿が目立っていました。今では集金業務の人が使い続けているくらいで、すっかりすたれてしまったビジネスバッグです。
もっとも、クラッチバッグそのものの機能性と堅牢性は充分優れたものですから、細々した小物をクラッチバッグにまとめて入れて、アタッシェケースなどのビジネスバッグに収納するという使い方をしている人は結構いるはずです。急な出張の多いビジネスマンでしたら、洗面道具やコンタクトレンズのケア用品、携帯バッテリーなど「お泊りセット」をクラッチバッグにまとめておけばいつでもビジネスバッグやボストンバッグに放り込んで出動可能な臨戦態勢が整います。丁度女性向けの化粧ポーチを一回り大きくしたようなものですから、こうした使い方が向いているのかもしれません。
出張用バッグに変身するビジネスバッグについて前にも触れましたが、長期滞在ならともかく、日帰りや一泊程度の短期出張の場合、出来るだけ荷物は少なくしたいものです。そこで普段使いのビジネスバッグの他に、出張向けのやや容量の大きいビジネスバッグも揃えておきたいところです。先ほど触れた「お泊りセット」の入ったクラッチバッグに加え、一泊分の替え下着や靴下、ワイシャツと替えのネクタイ、折り畳み傘といったところが余分に入れば足りるでしょう。
出張向けビジネスバッグで重要なのは、必要な物がすぐ取り出せるようポケットが何か所か設けられていること。つくりがしっかりしていること。そして何より可能な限り軽いことが挙げられます。合成皮革かナイロン製のものがお奨めですが、その場合も底部がしっかり作られていることが肝要です。樹脂製のアタッシェケースなども出張向けビジネスバッグとして重宝します。長期滞在の場合は、むしろ普段のビジネスバッグをトランクケースに収納して出かけるのが合理的でしょう。
ビジネスバッグの色ですが、男性の場合スーツとの兼ね合いもありますので、やはり定番は黒か茶色ということになるでしょう。革のビジネスバッグの場合、深いグリーンなどというのも案外シックでいいものです。女性向けでは、デザインさえシンプルである限り、色については自由度が高いようです。難しい場合、バッグの色は靴やベルトと揃えておけば間違いないでしょう。
ビジネスバッグの参考情報 → ディテールズ